一般にうけ口とは横から見た場合下あごが少し出っ張っている状態を言います。

その矯正方法について書いてみました。

健康な歯列

うけ口の矯正について

うけ口は、下顎が上顎より前に出ている状態です。外から見ると下の歯が受け皿のように上の歯を覆っているのでうけ口といいます。顔を横から見ると顎が出ているので、「しゃくれ」と言われたりします。うけ口になると、さ行やた行の発音がうまくできない、下顎の方が出ているため前歯で物をうまく噛み切れない、顎が出ているので審美的に悩む人がいるなどの問題があります。

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日本人には比較的多いと言われていて、下顎が大きすぎる場合と、上顎が小さすぎる場合、下顎が前にずれている場合の3つのタイプがあります。うけ口のような下顎が上顎より前に出るものを「反対咬合」、完全に前には出ていないが上下の前歯が先っぽで噛み合うものを「切端咬合」といいます。原因としては、顎の骨格の遺伝や舌で舌の前歯を押す癖などの他、ホルモンの異常などによって下顎が過剰に成長してしまう病的なものが挙げられます。

うけ口の矯正治療法は、その原因によって異なります。軽いうけ口ならば、スペースを作り前歯を奥に入れ込むように並べることができます。そのためには、場合によっては抜歯する必要があります。舌などの癖に原因がある場合は、顎の骨には問題がない場合もあります。そういった場合には、歯を引っ込める装置を使いながら、癖の改善トレーニングも並行して行うことになります。

また、うけ口の場合、顎の位置や大きさが大きなポイントになります。これは、下顎が上顎に比べて大きすぎる場合、逆に上顎が小さすぎる場合、そして下顎が正常な位置より前にずれている場合がありますので、それぞれのケースに合わせた治療法を選択することになります。

ただし、こういった場合の治療法は、外科的な手術になる可能性があります。つまり、下顎が大きすぎる場合は下顎を部分的に切り取り小さくする手術、上顎が小さすぎる場合は位置を前に出したり別な部位から骨を移植したりします。下顎が前方にずれている場合は、後方へ戻したり部分的に切り取る手術をします。

このようにうけ口の矯正治療は、状態によってはやや大掛かりな治療になるのです。下顎前突の外科的手術は保険が適用されますので、経済的な負担も少なくて済みます。
ただ、うけ口の場合審美的なストレスはかなりのもので、横顔に自信を持てない上に発音もうまくいかないため、心理的に大きな負担に思う人も少なくなりません。このような矯正治療によってうけ口を改善すれば、見た目にも随分改善されます。

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うけ口の矯正治療は、成長途中であれば顎の発育の状態を見ながら治療を進めていきます。特に混合歯列期では、前歯が生え変わる時がターニングポイントとなります。うけ口の場合、矯正治療の着手が早いほどいいと言われています。下顎の骨は、体の中でも手や足の骨と同じように成長し、上顎の成長とは異なる経過をたどります。ですから、成長が止まるまで経過を長い目で見ていく必要のある治療ともいえます。