毎日食後や寝る前に必ず歯磨きをしっかりしているのに、検診に行くと虫歯が見つかる人がいます。
それとは逆に、それほど歯を磨いているわけでもないし間食も普通にしているのに虫歯にならない人もいます。
頑張って虫歯にならないよう努力しているのに不公平だ!なんて声が聞こえてきそうですが、それではこういった人たちにはどんな違いがあるのでしょう。
虫歯の成り立ちとは
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そもそも虫歯とは、歯が細菌の出す酸で溶かされてしまった状態をいいます。
さらに詳しく説明すると、虫歯には歯・汚れ・細菌・時間の4つの条件が必要です。つまり、口の中に入ってきた糖を細菌が分解して酸を出します。
これによって口の中が酸性になり、歯は酸性の溶液に浸かっている状態になるために徐々に溶けていきます。やがて固いエナメル質が溶けて内部の象牙質まで到達すると痛みが出始めるのです。
それでは、虫歯になりやすい条件をピックアップしてみましょう。
- 歯磨きをしない
- 飲食の回数が多い、または不規則
- 甘いものが好き
- 母親や家族に虫歯が多い
- 治療した歯がたくさんある
これらの条件は、口の中にいる虫歯の細菌が住みやすい環境を引き起こしているといえるでしょう。
体質で虫歯のリスクが変わるのか
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このようなリスクを高める条件に関係なく、虫歯にならない人もいます。
中には、「私は虫歯になりやすい体質だから」という人もいるようですが、実際に体質ではないにしても虫歯になりやすい人となりにくい人が存在するのは事実です。では、何が原因しているのでしょう。
その答えは、
『唾液』
です。
唾液は、常に口の中に分泌され潤しています。普段何もしていなくても自然と分泌されるので、あまり気にかけたことのある人はいないでしょう。
実は、唾液は口の中で非常に大きな役割を果たしています。
唾液の役割
- 歯や粘膜を保護する
- 潤いを与え潤滑剤の役目をする
- 酸で溶かされた歯を修復する
- 酸性になった口の中を中性にする
- 殺菌作用で病気の予防をする
- 消化を助ける
- 味覚を活発にする
- 体内の水分のバロメータとなる
唾液は非常に重要な役割を果たしています。
唾液が減少すると、虫歯や歯周病を誘発したり悪化させることがわかっています。
つまり、唾液の出方や性状が口の中の状態に大きく影響するため、いわゆる虫歯になりにくい体質やなりやすい体質とは、唾液と大きく関わっているといえるでしょう。
唾液と体質の関係
唾液は本来アルカリ性です。
つまり、糖分が口の中に入り細菌が分解して酸を出したことにより酸性となった口の中を、アルカリ性である唾液が洗い流したり中性化する役割を担っています。
そのため、活発に唾液が分泌されている人は、虫歯や歯周病のリスクが格段に下がることがわかっています。
また、唾液には2種類あり、さらさらとねばねばがあります。虫歯などのリスク軽減のためには、洗い流す効果の高いサラサラ唾液の分泌を促すことが大切です。
しかし、中には唾液の分泌が少ないためにこのような機能がうまく働かない人もいます。このような人は、虫歯になりやすい体質といえるでしょう。
唾液の分泌が減少する原因としては
- 食いしばりや歯ぎしり
- 更年期
- ストレス
- シェーグレン症候群(※1)
- 薬の副作用
- 放射線治療の副作用や後遺症
などがあります。
したがって、唾液の分泌が少ない「体質」の人は、虫歯になりやすいといえるのです。
虫歯になりにくい体質にするために
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虫歯のなりやすさには、唾液が関係していることがわかりました。
そこで、唾液の分泌をよくして虫歯になりにくい体質にする秘策を紹介しましょう。
- 舌をよく動かす(あいうべ体操などもおすすめです)(※2)
- 噛む回数を増やしてよく噛む
- 唾液腺をマッサージする
- 水分をしっかり摂る
- コーヒーやお茶など利尿作用のある飲み物は控える
- 病的なものであれば適切な治療を受ける
これらのことを実践して、虫歯になりにくい体質に変えるよう心がけましょう。
(※1)シェーグレン症候群(英: Sjögren’s syndrome)とは、涙腺の涙分泌や、唾液腺の唾液分泌などが障害される自己免疫疾患の一種。wiki
(※2)「みらいクリニック」院長 今井一彰先生が開発した多くの病を改善する簡単な健康法です。こちら