歯並びが悪くなっていくのはなぜでしょうか?

多くのことがかかわってくる問題なのですが、その原因をいくつか挙げてみました。

歯並びの綺麗な笑顔

歯並びが悪くなる原因

歯並び(歯列)が悪くなるには、様々な理由があります。
1つ目に顎の大きさや形です。うちの患者さんで、よく似た親子がいます。顔もよく似ていますが、お父さんが下顎前突(うけ口)でその子供さんもそっくりな噛み合わせです。つまり顎の形は遺伝し、歯列や噛み合わせの問題の原因となります。

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2つ目に歯そのものに原因がある場合です。
歯の大きさが大きすぎる場合では、顎の大きさに対して歯のサイズが大きすぎると、お互いにずれながら場所を確保して並ぶため歯列が乱れてしまいます。また、歯が大きいだけでなく小さすぎる場合、歯と歯の間に隙間ができて発音や噛むことに支障をきたします。

その他に歯の奇形があります。
代表的な奇形に、癒合歯(ゆうごうし)といわれ隣同士の歯がくっついて1本の歯の状態で生えてくるものがあります。また、生まれつき永久歯が足りない人もいます。これは先天的欠損といい、残念ながら永久歯の種がないものです。確率的に最も多いのは真ん中から2番目の前歯ですが、中には複数の歯がもともと欠損している人もいます。これらは遺伝に関係していることが多いです。

3番目に、生活習慣が挙げられます。
いつも右手を顎に当てて頬杖をついている人は、下顎が少しずつ左にずれていきます。テレビをいつも同じ方向に寝転んでみる人、うつぶせ寝をする人、いつも同じ足に重心をかけて立ったり姿勢が悪い人など様々です。頭の骨は、背骨と歯(顎)で支えられています。顎がずれてしまうことによって噛み合わせがずれ、それに伴って歯並びも悪くなり、ひいては体そのもののバランスも崩れてしまいます。

4番目に、癖の問題です。
一般的なのが指しゃぶりです。指しゃぶりのある(あった)人の歯は、上下の前歯が噛み合わず隙間が開いています。いつも指がそこに入ってくるため、噛み合わないままに生えそろってしまったのですね。また、指しゃぶりをする(していた)人は、指で押されて上の前歯が突き出てしまうことが多いです。
その他、舌で前歯を押したり前歯の間から突き出す癖や唇を吸ったり噛んだりする癖なども、歯並びに影響します。こういった癖は、成人になってもやめられない場合があります。

5番目に、口で呼吸をする「口呼吸」も上顎前突(出っ歯)の原因になります。
口呼吸をする人の割合は意外に多く、鼻炎やぜんそく、アデノイドなど呼吸器系の病気が最も考えられる原因です。口で呼吸をする人は無意識ぽかんとに口を開けていることが多いです。また口で呼吸をするために舌が不自然な位置にあったり顎の骨や筋肉の発育に影響して、歯列不正を誘発します。口呼吸の人は、特徴的な顎の形や噛み合わせをしていると言われています。

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最後に、赤ちゃんの頃に食べた離乳食を思い出してください。どれくらいの期間、離乳食を食べていたでしょうか。
おっぱいやミルクの卒業はいつ頃でしたか?タイミングが早くても遅くても、それは顎の骨や筋肉の発達に影響します。赤ちゃんは、吸うことによって顎や筋肉が鍛えられ発達します。また、いつまで経ってもどろどろの離乳食を食べさせていたら、噛む力が育ちません。早すぎる離乳食、長すぎる離乳食、どちらも弊害があることを忘れてはいけません。

このように、歯列不正の原因にはとても多くの要因が関わっています。自分の歯列不正の原因はどこにあるのか、専門医できちんとした診断をうけましょう。