私たちは普段ガチガチと歯を噛み合わせて食べ物を食べたりしているわけですが、この噛み合わせっていうのは微妙なバランスの上に成り立っているもので、少しの要因で徐々にですが全く違った噛み合わせになっていきます。

噛み合わせが人の健康に重大な影響を及ぼすことがあるということは、人の健康と言うのは微妙なバランスの上に成り立っているものだということが言えるのではないでしょうか?

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歯の噛み合わせの問題について

噛み合わせの問題

噛み合わせは、私たち歯科医療機関で働く者にとってはとても奥が深くシビアなものだとの認識を持っています。
なぜなら、噛み合わせに同じものはまったくない上に、一度手を加えてしまうと100%元に戻すことは不可能に近いこと、そして噛み合わせのバランスによっては歯だけでなく全身に様々な影響を及ぼしかねないからなのです。

単純に噛み合わせといっても、大変いろんな要素を含んでいます。
もともと歯並びの悪い人の噛み合わせ、きれいな歯並びの人の噛み合わせ、成長の段階で生えてきたり抜けたり生え変わったりする頃の噛み合わせ、そしてムシ歯になったために削り詰めたり被せたりした場合の噛み合わせ、歯周病やその他の原因で歯を失った場合の噛み合わせ、義歯(入れ歯)になった人の噛み合わせなどいろいろな噛み合わせのパターンが考えられます。
しかし、これらはほんの一部だと考えられます。というのは、どのケースでも同じ状態はありえない上にその人の癖や習慣とも密接に関わってくるのが噛み合わせというものだからです。

歯ぎしりは、こういった噛み合わせと密接な関係を持っています。
例えば、被せ物や詰め物の調整が甘く気づかないくらいの精度でわずかに高かった場合、たった1本のずれでも噛み合わせのバランスが微妙に狂ってきます。
すると、それがストレスとなって歯ぎしりが起こることがあります。これは極端な例ですが、それほど噛み合わせとはシビアなものなのです。

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また、学童期の混合歯列期(乳歯と永久歯の生え代わりの頃)には、噛み合わせが短期間で変化していくため一時的に歯ぎしりを誘発することがあります。
こういった場合、バランスの悪さや強く当たる部分を解消したいという無意識の反応が、歯ぎしりとのあって表れるようです。

うちの患者さんの中に、噛み合わせが完全に狂ってしまった女性がいます。
高齢期に差し掛かろうとしているこの方は、歯周病やムシ歯で上下左右の奥歯を早い時期に失ってしまいました。
前歯しか残っていない状態で義歯を作成しましたが馴染めず、長期間前歯だけで生活してこられました。
さらに長年歯ぎしりを続けてきたために、すべて差し歯である上の歯と噛み合っていた下の前歯がすっかり擦り減ってしまい、いつの間にか反対咬合(下の歯が上の歯より前に出て噛みこんでしまう)になってしまいました。

こうなると、顔貌も以前とはすっかり変わり別人のようになってしまいます。
もし治療を施そうとするならば、噛み合わせを回復するところから始まり大変大掛かりな処置を必要とするでしょう。

私たちも噛み合わせの調整をする時はかなり慎重に行っていますが、やはりそれは人の目での判断になります。
歯ぎしりの原因ともなる噛み合わせの異常は、顎関節症などを引き起こしたり肩こりや頭痛、めまいなど自律神経の異常を誘発することもあるのを忘れてはいけません。

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