矯正歯科とは一体どんな治療を行っている歯科なのでしょうか?

改めてまとめの意味を込めて書いてみました。

健康な歯列

矯正歯科とはどんな歯科なのでしょうか?

皆さんが考える歯科矯正治療とは、歯並びをよくすることでしょう。
まさにそれは核心をついた答えなのですが、実は、歯並びが悪いことが原因で起こる様々なトラブルを改善するための治療なのです。

まず、歯並びが悪いと審美的(見た目)にあまりいい印象を与えません。
八重歯が可愛いと言われた頃もありましたが、ある国ではドラキュラの歯と呼ばれると聞いたことがあります。北米では、歯並びの悪い人は生活水準が低いとされることがあります。海外のスターやモデルで歯並びの悪い人はあまり見かけませんね。
そういう意味では日本は少し遅れをとっているのかもしれません。

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また、歯並びが悪いことで噛む力が半減します。
前歯は噛み切る、奥歯はすりつぶすといったそれぞれの役割を持っています。しかし歯並びが悪いと、この働きがきちんとできないことがあります。
そして噛む力が減少してしまうと、特に成長期にある子供たちは大きな影響を受けます。

食べ物をきちんと噛まずに飲み込むため、消化吸収が効率的に行われず、骨や体の発育に悪影響が出てしまいます。
成人でも、胃や腸の調子を崩してしまいます。
また、よく噛まないために満腹感を得られずつい食べ過ぎて、肥満を誘発することもあるのです。

次に、歯が上下きちんと噛み合っていなければ、発音にも障害が出てきます。
例えば、前歯が噛み合わず隙間が開いていると、「さ行」をはっきり発音することができませんね。
また、歯並びで顔の形が変わってしまうこともあります。
上顎前突、いわゆる出っ歯の人は、上の唇が前に突き出たように見えます。
逆に、下顎前突、いわゆるうけ口の人は、下顎が突き出しています。有名人ではアントニオ猪木さんが典型的な例だと言えるでしょう。

歯科矯正治療によって歯並びがきれいになると、虫歯や歯周病といった口の中の病気のリスクが激減するのです。
私は毎日いろんな患者さんの口の中を見ていますが、虫歯や歯周病が特に進行しやすいのは、歯が重なって生えていたりでこぼこに並んでいる場所、つまり歯並びの悪い場所です。
ですから、こういった部位は、特に注意して検査するようにしています。

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歯並びが悪ければ、食べ物をしっかり噛むことができません。
実は、食べ物を噛むことで歯がこすられ、ある程度の汚れを落としてくれているのです。
また、歯並びの悪い部分は、歯ブラシで上手に磨くのがとても難しいですね。そのため、虫歯や歯周病が悪化しやすいのです。

このように、歯並びが悪いという1つの症状?によって、様々なトラブルが口の中やその周りに生まれてくることが理解できたと思います。
つまり矯正治療とは、これらの口の中やその周囲にある様々なトラブルの改善を視野に入れ、広い範囲で治療やサポートを行うものなのです。