八重歯というのは過去はかわいさの一部でもありましたね。笑顔の時にちらっと見える八重歯は今まではかわいいとされてきましたし、好きな人もいるでしょう。
その八重歯の矯正について書いてみました。
八重歯の矯正
八重歯とは、上顎の犬歯が唇側に飛び出して生えてきたものです。良い意味で昭和を代表する歌手の一人である小柳ルミ子さんは若い頃八重歯がチャームポイントで人気でしたが、いつの間にか八重歯がなくなりきれいな歯並びになっていたのを記憶しています。そんなテレビの影響もあってか、当時は八重歯は可愛いというイメージがありました。
ところが、最近は八重歯を矯正する人が増えてきました。小学生くらいから大人まで、八重歯が気になると相談する方が増えてきました。時代と共にイメージも変遷するようですが、実は八重歯は欧米ではドラキュラを連想させると嫌われてきました。日本にはドラキュラ伝説はありませんから、文化の違いもあるのでしょう。
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八重歯は、典型的な歯と顎のサイズのアンバランスによる歯列不正です。唇側に飛び出して生えてくるため、唇を閉じにくく傷つけたりすることもあります。また、歯ブラシも入れにくいのでムシ歯や歯肉の炎症を起こしやすくなります。
八重歯の矯正治療には、その状態によりいくつかの方法があります。基本的には上顎に犬歯が入るスペースが足りないことが原因ですので、スペースを作ってあげることが必要です。
方法としては、まず装置を使って上顎の骨自体を広げて大きくするものがあります。この方法では、顎を左右に広げる装置を裏側に入れ、スペースができるのと並行して犬歯を少しずつ中に引っ張る治療を行います。この場合、歯を抜かずに治療を行うことができます。ただし、既に顎の成長が完了している人などには適用できないことが多いようです。
顎の骨をいじらない方法としては、歯を抜いてスペースを作るものがあります。これは従来行われてきた「便宜抜去」というもので、大抵の場合犬歯の隣にある第一小臼歯(4番目の歯)を抜いて、そこに犬歯を引っ張って入れ込むことになります。健康な歯を抜かなければならないというデメリットがありますが、スペースを作るためにはやむを得ない処置になりますね。
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これら2つの方法は、犬歯が完全に唇側に飛び出してしまっている場合に選択される治療ですが、その程度によってはこれほど大掛かりな装置を使わなくても移動できる場合があります。犬歯が少し唇側に出ている程度でしたら、左右の歯の間を少し削って小さくしてあげることで中に入れ込むことができる場合もあります。その場合は、費用も期間もそれほど長くはかかりませんが、一般的には八重歯の矯正治療は完全に保険がきかない上に治療期間も長めにかかることが多いようです。
まずはX線などで顎と歯の状態を検査し自分の八重歯の程度や原因などを調べ、どのような治療が適切かを診断してもらうことが必要ですね。