大昔の人類には歯並びの悪い人はほとんどいなかったと思います。出土された遺跡にもそのような歯並びの悪いものはななかなか見ないように思います。
歯並びが悪い人が多くなったといわれる現代ですが、その時代的背景を身近なところから考察してみました。

綺麗な歯ならび

歯並びが悪くなった背景

最近では、歯科矯正はごく一般的なものになりました。矯正治療は長期戦になることや装置を入れる煩わしさ、装置を入れている間の審美的な問題、そして費用などがネックとなり、歯並びは気になるけれど矯正はちょっと・・・と敬遠する人も多かったようです。
また、日本人は歯並びの悪さに対してそれほど抵抗がないことや、デメリットに対する情報が少なかったのも原因の一つかもしれません。それにしても、なぜこんなに歯科矯正を必要とする人口が増えたのでしょうか?

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人間の歴史ははるか昔に遡ります。人間の祖先の顔を思い描いてみてください。例えばネアンデルタール人や北京原人などの顔は、どちらかというと四角いごつい顔をしていますね。それでは次に、今テレビに出ているあなたの好きな芸能人の顔を思い出してみてください。
小栗旬や向井理はとてもシャープな顔をしています。では、アニメなどで描かれる宇宙人の顔を想像してみましょう。頭と目が大きく、逆三角形の顔に描かれることが多いですね。つまりこれは、人間の進化を示しています。人は進化と共に、顎が小さくなってきたのです。

大昔、硬い木の実や肉などを食べていた時代の人の顎はとてもがっちりとしていました。今のように加工したり調理をする技術があまり発達していませんでしたから、生きるために食べることで精いっぱいだったんですね。このような硬いものをよく噛むことで、顎がよく発達していたのです。ですから、昔は人の歯は全部でなんと36本もあったと言われています。

それでは、現代の人の食生活について考えてみましょう。子供たちの人気の食事は、ハンバーグ・カレー・シチュー・スパゲティ。人気のおやつは、チョコレート・クッキー・キャンディ・・・何度も何度も噛まなければいけないものがこの中にあるでしょうか。
顎は段々自分の仕事が少なくなり、少しずつ小さくなってしまいました。そして、真ん中から数えて9番目の歯は退化してしまい、今まさに8番目の親知らずが退化の途中にあるのです。ですから、現代人の歯の数は通常28本、親知らずを含めると最大32本になってしまったのです。

そして究極の宇宙人です。テレパシーで通信する宇宙人は言葉を発する必要もなく、宇宙食のような食事をするため顎はますます小さく退化してしまったようですね。

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大昔の人類には、歯並びの悪い人はほとんどいなかったと言われています。しかし、現代はまだ幼い乳歯の時代に既に、歯並びに問題を抱えている子供さんも目にします。退化してなお現代人の顎の大きさに歯は並びきれなくなり、歯列不正が起こっています。矯正治療は一般的なものになり、1学年に数人は矯正をしている子がいるのではないでしょうか。

食べ物や生活習慣の変化に、人の体もじわりじわりと変化させられていることを忘れてはいけません。まさに宇宙人のような顔になる時代が、いつか本当にくるかもしれません。