矯正歯科ではどんな器具や装置を使うのでしょうか?

矯正の仕方にもいろいろあるし、それに合わせて矯正器具も様々ですのでそれを紹介したいと思います。

健康な歯列

歯列矯正治療に使う器具や装置について

歯列矯正治療において最も一般的に採用されているのは、金属製のブラケットと呼ばれる小さな器具を歯の表面に接着し、そこにワイヤーを通して固定し歯を引っ張りながら動かしす方法です。
ワイヤーは、歯に接着したブラケットにゴムや細い針金で固定され、時間をかけて少しずつ移動させていきます。このブラケットには、セラミック製などの白や透明のものもあります。これならあまり目立ちませんが、ワイヤーは金属ですので見えてしまいます。また、セラミックのブラケットは、費用が割高になることが多いようです。金属製より強度も弱いため、どちらにするかは相談した方がいいでしょう。
また、ワイヤーを固定するゴムも最近はカラフルになり、楽しむ人も出てきました。うちの患者さんで、クリスマスの頃に調整に来て、ゴムを赤とグリーンで交互に入れて帰った高校生がいました(笑)。

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どうしても外から見えるのが嫌だという場合、ブラケットを歯の裏側に着ける方法もあります。舌側(リンガル)ブラケットともいわれますが、ワイヤーも歯の裏側につけるため外からはほとんど見えることがありません。ただし、裏側にあるためワイヤーやブラケットが舌に当たってしまい、違和感が強かったり傷になるなどのデメリットもあります。
また、外側に比べ装着が難しいので、技術的にも難しくなります。これらのブラケットによる矯正は、調整の時にワイヤーの引っ張りを強くしますので2~3日痛みを伴うことがあります。

似たような方式にデーモンシステムというものがあります。これは、ブラケットそのものにワイヤーを固定しない方法です。前述の方法は、やや強い力によって引っ張りますが、これは弱い力で引っ張るタイプだと考えるといいでしょう。ただし、デーモンシステムの場合は、舌側につけることはできません。

最近では、インプラント矯正という方法もあります。骨に小さなネジ状のインプラントを埋め込みそこを支点に歯を動かすもので、期間も短く負担も少ないというメリットがあります。通常のインプラントのような大掛かりなものではありません。

次に、ブラケットを使わない方法として、マウスピース型のものがあります。これは、透明な材料でそれぞれの歯並びに合ったマウスピースのようなものを作り、わずかにその入り具合に負荷をかけることで少しずつ歯を動かしていきます。取り外し式なので、寝るときだけなど好きな時間に装着することができ、目立たないというメリットがあります。
しかし、適応が軽い歯列不正の方に限られることや、付ける時間が極端に短かったり装着せずに放置していると、矯正の治療効果は期待できないというデメリットもあります。

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同じような着脱式の物に、床矯正というものがあります。これは、義歯のような装置を使って少しずつ顎を広げてスペースを作り、歯が並べるようにする方法です。特に、成長期にある子供や顎が横に狭い患者さんなどに有効で、費用も安くてすみます。抜歯をせずに矯正ができる方法の1つですが、誰にでも適応できるわけではありません。
これだけに限らず、歯列矯正治療は年齢や症例によって臨機応変に行います。